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「かわいい子には旅をさせよ」は本当か?

はじめまして、ぷどるです。妻と4歳&1歳の娘と4人暮らし。カメラを少々。怒涛すぎる日々の中に散らばる育児での発見をつづっていきたいと思います。

小学生時代、『まんがで学習ことわざ事典』という本を愛読していました。
この本から得たことわざを授業中に先生になげかけることを楽しみにしていました。

あの時の〝ことわざ少年〟も父になり、わが家には目に入れてもなんてことないぐらい可愛い娘2人がいます。

今回は上の子、まーちゃんについて紹介します。

とにかく娘は慎重派で、1歳の頃でも、食べ物以外は決して口に入れませんでした。
「なんて賢い子なのかしらー」と喜んでいましたが、そうは問屋が卸さない。
いつの頃からか、初めて見る食べ物も断固拒否で、「イラナイ」の一点張り。
「だまされたと思って、一回食べてみて!」
なんの誘い文句か、初物は夫婦であの手この手で食べさせています。

そして、ご多分に漏れず、”人見知り”ムーブを2歳から発動。
私の友達が家に来れば泣く。
外出中に誰かに会えば親の足元に隠れる。
生まれてからずっと成長を見届けてきてくれたマンションの管理人さんでさえ、面会謝絶。
親としては、娘のこれからを考えると正直不安でした。

そんなまーちゃんに試練の時が訪れました。
昨年、3歳の時。下の子が生まれるにあたり、ママと里帰りをすることに。
妻の実家は、関西圏。
「人見知り? なんやそれ」の風土(関西の方ごめんなさい🙇‍♂️)。
妻の地元のおばちゃん・おっちゃんは、どんな人にも気さくに声をかけてきます。
特に子どもが大好き。
「いつも散歩してはる姿を見ててん!」と町工場のおっちゃんが、お菓子を持って走ってきたことも。
そんな〝ゼロ距離〟文化に面食らったまーちゃん。
里帰り期間に暗雲が立ち込める。

いよいよ下の子が生まれる日。
夜中にママは病院へ。
ただならぬ空気に、目を覚ましたまーちゃん。

「!!!ママがいない!!!」

驚天動地。
この世に生を受けてから、このかたママがいない夜などなく、かなり動揺した様子。
目がさえてしばらく眠ることができず、ばぁばと布団でプチプチ(割れ物を包むアレ)をつぶし続けてやっと眠りに。

朝、目を覚ますと、

「!!!ママがいない!!!」(2回目)

その日は、ずっとしょんぼりしていたようです。

そんなママもパパもいない時間を過ごすにつれて、まーちゃんも今いる環境に次第に適応。というか覚悟を決めたのか。

今頼れるのは、じぃじとばぁば。
そして近所のおばちゃん、おっちゃんしかいない。
〝ならば、かわいがってもらうまで〟
そう悟ったのかはわからないが、子どもの成長は早い。
ママのいない彼女にとっては長い日々を、精いっぱい駆け抜けました。
近所のおばちゃん、おじちゃんにも隠れる場所を失ってか、「こんにちは」と笑顔で応えることができるように。
いつしか「かわいいね」との言葉には、アイドルよろしく手を振って答える変貌ぶり。そんな娘の成長に、退院した妻もビックリ。
ただその夜、布団の中でママに「まーちゃん頑張ったんだよ」とこっそり報告していたようで、彼女にとって大冒険の日々だったに違いない。

それから数週間後、妻から連絡が。
なんと、まーちゃんがばぁばと2人で町内会の人たちと日帰り旅行に行くというではないか。
「えっ?まーちゃん、やりすぎじゃない?」

町内会の方々も、まさかの飛び入り参加に大盛り上がり。まーちゃんはバスと船で移動し、疲れれば抱っこしてもらえるVIP待遇。
ホクホク顔でたくさんの戦利品(お菓子)を抱えて元気に帰ってきたとのこと。

里帰りを経て、パワーアップして帰ってきたまーちゃん。「変わったねー」とほめられ、どこか誇らしげ。
その姿を見る私もうれしくなりました。



そんなまーちゃんも今年の4月から幼稚園生になりました。あの時の特訓があったからか、すんなりと新しい生活に慣れたみたい。
ママ・パパと離れ、寂しくて泣いてるお友達に、「大丈夫だよー」と声をかけていると担任の先生から教えてもらいました。

親になったとき、子どもの可能性を信じたいと思っていました。
でも、日々の生活の中で、「この子にはちょっと難しいかなー」と思い込んでしまい、知らず知らずのうちに先回りして避ける道を選ばせていたことに気がつきました。

だから〝かわいい子に旅をさせよ〟という、ことわざが生まれたのか。これを初めて口にした人、すごい。
子の旅は、子の成長だけでなく、親にも大きな気づきと子どもの可能性を信じる勇気を与えてくれるーー。
この短い言葉が、娘の体験と重なり、そう教えてもらったような気持ちになりました。

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