ワンオペとは、孤独な山登り。「昭和」から「令和」に変われるのか!?
「ワンオペ育児」――4年前、私が娘を産んだ時には、日本社会でかなりの存在感を放つ言葉になっていました。
初めて、Twitter(現X)上に「ワンオペ育児」があらわれたのは、子育て中の親のつぶやきだったとか。牛丼チェーン店の「ワンオペ」が社会問題になった時期と重なって、2014年ごろから徐々に広がっていたそうです。
一人で家事や育児を担うことは、もっと前からあったでしょう。
私の母もそうでした。父は仕事や創価学会男子部の活動が多忙であまり家にいなかったようです。「周りの家庭も、旦那さんが土日はゴルフやら釣りやら出かけてて、みんな同じようなものだった」と母は言っていました。
母も父もお互い必死に頑張ってきたんだなと思います。
それから約30年ーー女性たちの叫びの結晶「ワンオペ育児」は鮮烈デビューを果たしたわけです。
この言葉に対する思いや感じ方は、人それぞれ違うとは思います。私自身は、子育てを一人で担うことの大変さや苦労に「名前」がついたことで“社会問題”として認識されるようになったのが、とてもいいことだと感じています。
それに、「子育てがつらい」と言うよりも、「ワンオペがつらい」と言う方が言いやすい。夫や周りにも伝えやすい。この言葉を生み出してくれた方に感謝を申し上げたいです。
最近、「わが家のワンオペレベルはけっこう高いかも」と感じる出来事がありました。
保育園の保護者会に行った時のことです。
他の親御さんに「夫は平日、毎日ではないけど遅くて、土日も結構いないかも」と話しました。
すると、そこにいたママやパパが「え~! それ、大変だね」「平日はうちの夫も帰りが遅いけど、土日いないのはキツいね」など、共感&ねぎらいの言葉をかけてくれました。
その反応に、「私って頑張っているんだ」とも思ったし、「他の家は違うのか」となかなかの衝撃を受けました。時代は「令和」ですもんね。
人の意識は変わってきているけれど、働き方や創価学会男子部の活動スタイルは、まだまだ昭和な気がします。もはや、令和6年ではなく、昭和100年では?と突っ込みたくなる時があります。
社会学者の上野千鶴子さんは
「社会活動家や労働運動家を夫に持つと、妻はモーレツサラリーマンを夫に持つよりもたいへんな目に遭うと言います。長時間労働のサラリーマンの夫になら、あんたはせいぜい会社の利益のために働いているのねと言えるのに、社会活動に熱心な夫には『世のため人のため』という大義名分があるからです」(朝日新聞デジタル11月4日付)と語っていました。妙に納得したものです。
昭和スタイルから、令和スタイルに変わっていけるのか。そのために、自分には何ができるのか。
立ちはだかる壁を前に諦めそうになる時もありますが、希望を感じることも増えてきました。
例えば
今年の男子部活動大綱に「家事・育児など『家庭進出』に積極的に取り組む」と明記されたこと
聖教新聞の記事に、ケアや男性の家事・育児に関するものが増えてきたこと
妻の産前産後にあたり、男子部の活動育休を推進する地域が出てきたこと
聖教公式noteができたこと などなど
それでも、もっとスピードをあげていきたいところです。
創価学会男子部の妻は、「世界平和」という目的に向かって仲間と一緒に楽しく航海に出ている夫を支えながら、一人で子どもを背負って黙々と山を登っている、今まではそんな感じだったと思います。ワンオペ(特に乳幼児期)とは、まさに孤独な山登り。
ずっと一緒に山登りしてほしいとは思いませんが、「世界平和」に向けて一緒に頑張るためにも、航海の仕方を変えたり、山に登る頻度を増やしたりしてほしいなと思う、今日この頃です。