〝社長(妻)〟からパパが〝正社員〟採用されるために
仕事からの帰り道、Instagramの、とあるアカウントのストーリーズ(24時間で消えちゃうやつ)が目に飛び込んできました。
タイトルは「パパが見た育児の世界」
【内容はざっくりこんな感じ】
育児している〝つもり〟だったパパが、パートナーであるママに「もっと育児してよ」と声をかけられます。「これ以上、何をすればいいんだ」と考えながら育児をするパパはある日、「名もなき育児」の存在に気付きます。そこからパパは育児の姿勢や取り組み方を変えたという話でした。
その映像を見て「俺はどうだったかなぁ」と4年間の育児を振り返りました。
後悔の2カ月、2度とやってこない新生児期
娘が誕生した当時、「男性育休」を取得する流れはまだ、日本社会で本格化していない状況でした(今も過渡期ですが)。私が積極的に育児に取り組むようになったのは、娘が生まれて2カ月後のこと。なぜなら妻が〝里帰り出産〟で実家に帰っていたからです。
妻は出産後、5日間の入院を経て、妻の実家で子育てを始めました。現在、私たちが暮らしている場所から妻の実家までは、特急電車で1時間ほどの場所なので、なるべく毎週土日は、妻の実家へ。おむつの交換、お風呂、ミルク作りと、着実に習得していきました。しかし、自分は得意げな顔をしていたのでしょうか、たびたび妻から指摘されることがありました。
「新生児期の大変さ分かる?」
「私たちが実家にいるから、『一人で気楽だな〜』とか思ってるんじゃないの?」
「生まれたばかり。ほにゃほにゃでちゃんと見張っていないと、命に関わるんだからね!」(←「私は寝る暇もない」という訳です」)
新生児期というのは、具体的に生後28日までの時期を指します。何が大変かというとーー
等々があります。
授乳に関していえば、私の妻の場合、完ミ(完全粉ミルク)だったため、完母(完全母乳)のママと比べると、毎度、粉ミルクを作る作業が加わり、睡眠不足、ストレスが溜まっていました。
文字通り不眠不休です。私は重要な新生時期を少ししか経験できなかったため、妻の感覚に追い付けていなかったように思います。その後は積極的に育児、家事に取り組むようにしました。(私の育児・仕事・家事奮闘記はこちらで読めます)
「育児」を「仕事」に置き換えてみた
しかし、今でも気を抜いて、妻から注意されることもしばしばあります。
【ある日の出来事】
私は「ただいま〜!大好きな●●(娘の名前)〜!」と言って玄関で靴を脱いでリビングに向かいました。ママから「おかえり〜」と一言あった後、「本当のんきだよね。こっちはさ、●●のお風呂まで済ませてここまでやっているんだけど。私(ママ)に『感謝』してる?」と言われたことがありました。
こうした経験から、家は「リラックスする場所」でもあるのと同時に、「戦場」でもあることを意識しなければいけないと思いました。
ちなみに、主婦の家庭、共働き家庭で異なるとは思いますが、「掃除」「洗濯」「食事の準備」をする割合は、ママのほうがかなり高いです。(内閣府男女共同参画局HP参照)
「妻(ママ)」を「社長」に置き換えてみた
妻と同じような責任感や意識に近づけるよう、家庭を会社と捉え、「妻(ママ)」を「社長」にし、私は〝社長〟から〝正社員採用〟されるために奮闘する一人だと言い聞かせるようにしました。
世間では、「夫婦は家庭の共同経営者」という考え方もありますが、わが家では「妻は社長」ぐらいに捉える方が上手く機能しています。
以前、SDGsについての取材で、ファッションブランド「THE INOUE BROTHERS…」の井上聡さんと清史さん兄弟にインタビューをしたことがあります。彼らが最も大切にしていること、それは「母を大切にする」でした。
「すべての人は『女性から生まれてきた』という共通点があります」と語り、「女性を尊重する」生き方をしていけば、サステナブル(持続可能)な世界を築いていけるのだと教えてくれたのです。(書籍「SDGsな仕事(第三文明社)」に詳しく書いてあります)
家事も育児も協力しあえば、ママにとっても、自分にとっても「家がリラックスできる場所(仕事に置き換えると〝働きやすい場所〟)」になる。そうして、サステナブルな家庭を築いていけるのではないかと現時点では思っています。