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最近、子育てで「壁」に助けられています。「貼っ読(はっどく)」始めました

うつ病の妻、小学3年、2年になる年子の娘と暮らす、みやもんと申します。今回は「子どもと親の学び」について書きます。

わが家の壁には、いたるところに絵や地図、ポスターなどがペタペタと貼ってあります。鑑賞するだけでなく、貼ってあるものをきっかけに、いろんなテーマで話が弾んだらいいなというねらいがあります。

例えば、風呂場に「太陽系の惑星たち」のポスターを貼ってからは、「太陽は地球の何倍の大きさで…」「月の満ち欠けってさ…」みたいな話が娘と増えました。

購入しても机の上に積んでいるだけで読んでいない本のことを「積読(つんどく)」といいますよね。これはこれで知的刺激があるし、本に手が伸ばしやすくなるのはいいことだと思いますが、なかなかうちの娘たちには効果がない。ならば「親が子どもたちに読み聞かせをしよう」と気張っても、睡魔に負けてしまう日々(笑)。
なので、わが家ではペタペタ壁に「貼っ読(はっどく)」(今、勝手に考えた造語です)を推進しています。新聞自体を広げてそのまま壁に貼り付けてみることもあります。

先週はこんな話で盛り上がりました。

「最強王図鑑」(学研)のポスターを眺めながら小2の娘が言いました。
(※最強王図鑑とは、「動物界や恐竜界など、各種属の猛者たちをトーナメント方式で戦わせ、最強を決めてしまおう」というコンセプトで作られた、シミュレーションバトル図鑑のことです)


「ケルベロスってさ、狼の顔が三つある生き物じゃん」
とドヤ顔の娘。ギリシャ神話に出てくる怪物で、正確には狼ではなく犬のようですが、「そうだったね」と返答しました。

左下、ケルベロスはこんな感じ



「一つケガすると、(三つの顔)みんな痛いってなるね。だからケガしないといいね」
え、何その感覚、考えたこともなかったなあ。優しいな。怪物の話でほんわかする。

「そうかもしれないね。痛くならないといいね。ケルベロスにとって幸せってなんなんだろうね」と私。
”すぐに生死とか、幸せとか、小難しい方向に話を持っていかないで”と、妻にドヤされそうですが今日も聞いている自分です。

「しあわせ? そりゃあ他の怪物を食べないことじゃん」と表情も変えずに娘は即答しました。"なんでそんな当たり前のことを聞くの"くらいの感じです。

「え、どういうこと?」。私には全く想像がつきません。

「だって、ケルベロスは体がでかいし、顔が三つもあるから、周りの怪物は怖がるでしょ。でも、『君たちを食べないよ』って宣言したら、周りから『うわあケルベロスやるじゃん』って言われるようになる。そうしたら、ケルベロスはうれしくなって元気になると思うよ」

へぇ、なるほど。それはよかったね、めでたしめでたし、と勝手にエンドロールが流れそうになっている私の脳内を娘が揺さぶります。

「でも、夜になると”へっへっへ、いつかお前たちを食べてやるからな”って家で一人で言ってるんだよね」

こわ、マジか。確かに、ケルベロスはかわいいワンちゃんじゃない、怪物だということを忘れていた! 表ではいい人、いや、いいケルベロスぶってて、本当はそんなこと考えてるのか。

「そう、だから、ケルベロスの心に『いいこころ』って書かないといけないんだよね」

え、心に文字って書けるの?
「直接書くと痛いから、まずは心が痛くならないようになる注射を打つけどね」

そういう問題?
「どうやって心に注射を打ったり、文字を書いたりするの?」と、私は娘の顔をのぞき込みながら聞きました。

「帽子を二つ用意して、一つを人間がかぶって、もう一つをケルベロスにかぶせると……」
「そこはケルベロスだし、帽子三つじゃないんだ」
「うるさい、いいの! それよりも、人間とケルベロスが帽子をかぶると、人間がケルベロスの心の中に入れる、それが大事なの。人間が心に入れたら、あとは注射して、『いいこころ』って書けばいいわけ」

わが家ではこんな具合です。子どものためを思ってペタペタと壁に貼り付けてみたことですが、結果的に、子どもの創造力に親が多大な影響を受けているのでした。

これまで、いろんなところに支援を求め、たくさんの人に助けてもらってきましたが、「壁」も子育てのサポートをしてくれる対象だとは知りませんでした(笑)。ありがとう、壁さん。


最近、娘と行った個展でゲットした手ぬぐい。かわいかったので壁に貼っちゃいました


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