最強パパ宣言。「授乳以外、何でもできるようになる!」
待望の第一子が生まれたその日、夫は宣言しました。
「授乳以外、何でもできるようになる!」と。
このように聞くと素晴らしいパパと思われるかもしれませんが、動機が斜め上なのです。
妊娠中から、
「胎動を感じられるお母さん、いいな」(←おいおい、妊娠大変なんだぞ?)
出産したら、
「俺も授乳したいな」(←いやいや、代われるものなら代わってほしいよ?)
等と、私をとにかくうらやんでいた夫。
彼がよく言っていたのは、
「"イクメン”という言葉が嫌い」ということでした。
2024年10月現在、「イクメン」という言葉は次第に聞かれなくなってきたと感じますが、わずか3年前は、まだよく使われていました。
育児は女性の方が向いているもので、育児をする男性は特別な存在であり、さらに言えば「父親は母親にはかなわない」というアンコンシャスバイアス(=無意識の偏見)が含まれた言葉だと思います。
果たして、父親は母親にかなわないのか?
夫は、辞書に「不可能」という文字が掲載されていないタイプの人です。
始める前から、頑張っても母親には勝てないと決めつけられるのが全く許せないのです。
そんな、負けず嫌いなわが家のパパ3歳3カ月、奮闘のドラマをお伝えします。
シーズン1:寝かしつけの洗礼
第一子の長女は、それはそれは眠らない子でした。
初めての子なので、これが普通なのかと思っていましたが、後に第二子の長男(寝かしつけにかかる時間0〜10分、夜泣きほぼなし)を育て始めて、長女がハードモードベビーだったと知りました。
寝かしつけの方法はいろいろ試しましたが、最終的には、抱っこしながら「世界一浅いスクワット」(なかやまきんに君のYouTubeより)をするスタイルに落ち着きました。
リズミカルなバウンスが長女には心地よかったようで、すぐに泣きやみました。(ただし、すぐ寝るわけではない)
授乳以外、何でもできるようになりたい夫も、もちろん寝かしつけに積極的に参加してくれました。彼もスクワットねんねを取り入れていましたが、私がするのとはちょっと違うのか、長女はなかなか眠らないことがありました。
スクワットで寝付かない時は、長女を抱っこひもで抱き、ひたすら町内を歩き回っていたそうです。
2時間、3時間と歩いて、灰のようになった夫から長女を受け取り、私が少し抱くと、長女はすぐに眠りました。
なんだか、かわいそうなパパ。でも、ありがたい夫です。
夫は時間の許す限り、家事にも育児にも、一生懸命に取り組んでくれました。
長女は、パパが作る甘くないフレンチトーストが大好きで、大きなパパがしてくれる肩車が大好きで、パパは長女を笑わせるのがとても上手でした。
シーズン2:パパイヤ(嫌)期の難
時は流れ、長女1歳4カ月の頃、第二子を妊娠しました。
ママの体の変化を感じ取ってナーバスになったのか、イヤイヤ期の始まりか、長女は「ママじゃないと嫌」ということが増えていきました。
パパと遊ぶのは大好きでとても仲良しなのですが、生活面においては、ママに食べさせてほしいし、ママとお風呂に入りたいし、ママのおなかの上に頭を乗せて寝たい。
言葉が出てくると、「パパ、いや! ママ、いい!」と大きな声でハッキリと夫の心をえぐり始めました(涙)。
それでも夫は諦めませんでした。
「絶対、ママに負けないぞ!」(←そこ?)
寝かしつけでは、私が30分かかるところ、夫だと1時間以上かかりました。効率を考えれば、私が担当した方が早いですが、夫は私が少しでも休めるように、そして何より、わが子の今しかない瞬間に向き合いたいという一心で、あとママに負けたくないので、長女に関わり続けました。
シーズン3:黎明 ~明けない夜はない~
第二子が無事に生まれた後も、長女のイヤイヤ期が本格化し、大変な時期は続きましたが、長女が3歳になった頃、その時が来ました。
「ママ、バイバイ! パパがいい! パパだっこ!」
長女がついにパパを指名したのです(号泣)。
私は「ママ、バイバイ!」のストレートパンチに一瞬クラッとしながら、この仕打ちを約1年にわたり受け切った夫に、尊敬と称賛の拍手を送りました。
夫に「ついにパパイヤ(嫌)期を乗り越えたね。ここまで諦めなかったのすごいよ、普通なら心折れちゃうよ」と言うと、
「まだママがいい時の方が多いけどね」と照れながらも、うれしそうでした。
パパイヤ期を乗り越えて、生活のルーティーンが格段にスムーズになりました。最近は、毎朝の長女のヘアセットが夫の日課です。三つ編みがだんだん上手になってきました。
パパとして、夫として、成長し続ける彼を心から尊敬しています。いつもありがとう。
この記事を夫に見せたところ、「俺に感動した」と涙ぐんでおりました。
自己肯定感最強メンタル、見習いたいです。